宮古島で「シギラリゾート」と呼ばれるホテル群開発を手掛けているユニマットプレシャス社が、さらに大規模な開発を計画していることを、琉球新報が報じています。
ユニマット社の計画
記事の概略は、
というものです。
宮古島の開発を手掛ける企業が、宮古島本社であることを素晴らしいことです。
その会社の収益が法人税として市に還元されるので、「外部の人が宮古島で儲けて、島には何も残らない」という状況を避けることができるためです。
懸念は開発規模
沖縄県が発表している「宿泊施設実態調査」によると、宮古島全体の昨年12月時点の客室数は「3,248室」です。(ホテル、民宿など含め)
今現在、下地島空港のできる伊良部島を中心にホテル開発ラッシュが起きているので、今年から来年にかけてはこの数字が大きく増えるはずです。
ここにさらに、ユニマットプレシャス社がまずは20年度末までに1,200室も増やすというのですから、恐ろしくなります。
宮古島は確かに観光客が増えていますが、その中心はクルーズ船による外国人観光客です。
彼らはクルーズ旅行のついでに数時間宮古島に立ち寄るだけですので、宿泊需要はありません。
空路ももちろん伸びてはいますが、その伸び率は飛行機の数と大きさに制約されるので、クルーズ船のように爆発的に増えていくわけではありません。
ユニマット社の見込み通り、ホテルが埋まるほど観光客が増えることも怖いですし、もし予想通り観光客が増えずに、ホテルが活用されずに廃墟化するのも、それはそれで怖いです。
また、これだけ大規模な開発となると、宮古島の景観の変化や、海への赤土の流出、水不足の問題などなど、市民生活に与える影響も気になります。
先ほど、本社移転による税収増は素晴らしいことだと書きましたが、一方ではユニマット社の行政への発言権が増すのでは、という懸念もあります。
実際、琉球新報の記事の中でも、ユニマット社の入江副社長はこのように発言しています。
宮古島は、伊良部大橋が完成してもう架ける橋がないので、公共事業の向かう先もいろいろと広がっているようです。
新会社設立を契機に、宮古島市がユニマット社に迎合し、乱開発を後押しするような結果にならないことを強く願っています。
まとめ
いたるところで「宮古島バブル」と言われる最近ですが、バブルはいつか弾けます。
宮古島市では、最近、「千年先の、未来へ。」というキャッチコピーを作り、市のWEBサイトでも掲載してアピールしています。
このコピーが形だけのかっこつけに終わらないよう、ぜひ地に足を付けた、持続可能な都市開発に期待したいと思います。
*参考記事
宮古島に6000 室リゾート ユニマットプレシャス 24年度末までにシギラリゾート増設 売上高1000億、市内に新会社 - 琉球新報