沖縄などの南の島はお酒に強いというイメージがありますが、宮古島の人たちも基本的にお酒は大好きです。
また、宮古島は飲み方も独特で、「オトーリ」という独自の酒文化があるので、酒量には注意が必要です。
オトーリとは
オトーリとは、漢字では「御通り」とも書かれます。昔々に泡盛が特別貴重だったころ、参加者全員に均等にお酒がいきわたるようにはじめられた言われる、独自の「回し飲みの作法」です。
宮古島では伝統的にこのオトーリが根付いていて、酒量を増やす原因となるために賛否両論がありながらも、いまも受け継がれています。
オトーリの回し方
1.まず「親」を決めます。この親は口上を述べて(挨拶して)、グラスの泡盛水割りを飲み干します
2.次に、親が参加者一人ひとりにお酒を注いで回ります。このとき、一つの同じグラスを使います。注がれた人は、同じように飲み干します
3.最後に注がれた人は、飲み干した後に親にお酒を注ぎます
4.親はお礼のあいさつをして、またお酒を飲み干します。最後に次の人を指名して、これを参加者分続けます(時にはループで続きます)
オトーリの良いところ
オトーリの素晴らしいところは、なんといっても飲み会が盛り上がり、参加者全員と均等に接することができる点です。
いわゆる会社の飲み会などでは、結局席の近い人しか話せなかったりするものですが、オトーリがあると少なくとも全員と会話ができます。また、口上のやり方で人となりも見えてくるので、オトーリのおかげで人との距離が縮まるスピードが速いように感じます。
宮古島の連帯感や仲間意識の向上に、ひと役買っていることは間違いありません。
オトーリの困ったところ
それはもちろん、酒量が増えるということです。また、最近でこそ減ってはきていますが、お酒の強要にもつながりやすい面は否定できません。
宮古島の酒モラルは決して高いとはいえず、健康被害や飲酒運転などの問題も顕在化しています。公務員である市役所職員さえも、飲酒運転で捕まることがあるほどです。
過去には、高校生がオトーリをやって交通事故を起こしたので、地域でオトーリの廃止決議がなされたこともあるのだとか。
しかし、嘘か誠か、「オトーリの廃止決議」がまとまったことを祝して、オトーリを回してしまうのが宮古島の人々なのだとか・・・
私個人としては、素晴らしいオトーリの文化を残しつつも、お酒との正しい付き合い方も取り入れていって欲しいなと願っています。
オトーリは断っても良い
移住者の人はもちろん、「郷に入れば郷に従え」というように、積極的にその地の文化になじむ努力は必要だと思います。でも、お酒などの体質にかかわることは別です。
飲めなければ飲めないと、はっきり断りましょう。
その時に大切なのは、オトーリ自体を否定しないこと。お酒は飲まなくてもよいので、オトーリには参加すれば(グラスに乾杯するだけでOK)、雰囲気が壊れることもありません。
もし、それでも断りにくい人は、宮古保健所が公式に発行している「断るカード」を使いましょう。
それにしても、行政がわざわざこれを用意するほど、飲むということですね・・・。
余談:お酒の場の救世主
最後に、お酒と付き合う意味でのおすすめ商品を紹介します。